2019年11月号 Vol.34 雅子皇后陛下の輝き

Drottning Silvia シルヴィア王妃 世界一美しい王室といわれるスウ ェーデン王室。ノーベル賞での晩餐 会では、大変華やかな装いで世界中 を魅了しています。 二人は目の前に立ちはだかる障害 を乗り越え1976年に晴れて結婚。 1976年6月19日にロイヤルウエデ ィングを行ったスウェーデンの現国 王カール16世グスタフと現王女シル ヴィア。王妃は、1972年に開催され たミュンヘン・オリンピックではグ スタフ国王の担当コンパニオンに任 命され、ここでスウェーデン王子と して開会式に参席していたカール16 世グスタフと知り合い、恋に落ちま した。シルヴィア王妃は、6カ国語 (スウェーデン語・ドイツ語・フラン ス語・スペイン語・ポルトガル語・英 語)が流暢に話せるスーパーウーマ ンの才女で、王子は、一目惚れして 交際が始まりました。しかし、スウ ェーデンの王室や国民に受け入れら れませんでした。シルヴィアがスウ ェーデンではない異国の一般市民(母 方はブラジル人で、幼いころはブラ ジルに住んでいた)だったこと、ま た王子よりも2歳年上で、さらに父 親が戦時中にナチス党員であったこ となどが理由のようです。 結婚までに4年の期間を要しまし たが、二人は目の前に立ちはだかる 様々な障害を乗り越え、1976年に晴 れて結婚しました。結婚式は、スト ックホルムの大聖堂で行われ、晴れ の日にシルヴィアがまとったのは、 シンプルで、エレガントなクリスチ ャン・ディオールのウエディング・ド レスでした。丸首にAラインのシル エットで胸から裾にかけてのプリン セス・ラインにダーツが入っています。 細身な袖がとてもスッキリとした印 象を与えています。トレーンの脇に は、レースがあしらわれ優雅さを際 立たせます。ティアラは、スウェー デン王室の家宝であるカメオのティ アラで、ベルギー国王レオポルド3 世の娘ジョセフィーヌ・シャルロッ トにナポレオ・ボナパルトが贈った 物でした。また、この結婚式の前夜、 スウェーデン出身の世界的ミュージ シャンABBAが二人の結婚を祝し て名曲『ダンシング・クィーン』を TVライヴで初披露し、この曲が世 界的に大ブレイクするきっかけとな りました。当初、周囲からの猛反対 を受けたシルヴィア王妃。2012年に 新王女が誕生したスウェーデンです が、新王女の祖母にあたるシルヴィ ア王妃は、スウェーデンの王室で最 も苦しく、困難な道を歩んできた方 だといえます。ロイヤルウエディン グを迎えるまでに幾多の試練があり、 ウエディングを終えてからも、国民 からなかなか受け入れられないとい う状況でした。しかし、明るい人柄、 何事にも屈しない性格は徐々に国民 の好感を呼び、現在では高い人気を 誇る王妃となっています。 P●INT DE VUE JAPON P●INT DE VUE JAPON 30 31

RkJQdWJsaXNoZXIy NDY3NTA=