25歳で女王に即位 ヨーク公アルバート王子とエリザベス 王妃の長女として誕生。1963年、叔父の エドワード8世が退位してアルバート王 子がジョージ6世として王位に就きます。 王位継承者の一人となったエリザベス王 女。第二次世界大戦中から公務に就き、 14歳でラジオを通し初めての演説を行な います。18歳を機に、父が公務を執行で きない場合などに、代わりを務められる ようになります。1951年に父ジョージ6 世の健康状態が悪化し、翌1952年、冠状 動脈血栓症により逝去されました。 エリザベスは25歳という若さで女王に 即位。即位後はイギリス連邦諸国をはじ め、米国やフランスなどを歴訪する他、 バッキンガム宮殿の一部を一般公開する ことに踏み切るなど、新しい試みを行な いました。 近年、女王は、リーダーシップについ てこのように語っています。 「成功の法則と言えるものは何も知りま せんが、長年の間に発見したのは、リー ダーシップの特徴には普遍的なものがあ り、それはしばしば、力を合わせるため に人々を励まし、彼らの努力や才能、洞 察力、情熱、インスピレーションを結び つける方法を探す点にあるということで す」。 家族の絆 1947年、エディンバラ公爵フィリップ 殿下と結婚。ギリシャ及びデンマークの 王位継承権保持者でもあったエディンバ ラ公は結婚に先駆け自身の持つ王位継承 権を全て放棄し、英国に帰化申請を行い ます。 1948年フィリップ殿下との間に第1子、 チャールズ王子を出産。 1950年第2子となるアン王女を出産。 近年のお言葉でこう語っています。 夫フィリップ殿下について 「フィリップ殿下は、私が思うに、いかな るほめ言葉も容易には受け取らないこと で知られています。けれども、彼はこれ までずっと私の強さの源であり、導き手 であり続けてきました」 「いつものことで彼には申し訳ないですが、 フィリップ殿下は私の話に耳を傾けざる をえません。私たちはしばしば、私が予 定しているスピーチについて事前に話し 合うのですが、ご想像のとおり、彼は率 直に彼の意見を表明してくれます」 「彼はただただ、私の強さであり、ずっと 私のそばにいてくれました。私、彼の家族、 そしてこの国や他の多くの国々は、彼が 思うよりも、あるいは私たちが知ってい るよりもずっと、彼に負うところが大き いのです」 世界で最初にソーシャルネットワーク を使った国家元首 2007年、Youtubeにイギリスの王室チ ャンネルが正式に公開されました。2009 年にはエリザベス女王自身のTweeter アカウントを作成。2015年には即位63年 を迎え、イギリス王室の在位最長記録を 更新。2016年には90歳を迎え、エリザベ ス女王の幼少期や王室一家の休暇の様子 などを、エリザベス女王をはじめ、チャ ールズ皇太子、ウィリアム王子、ハリー 王子が鑑賞しながら感想を述べる特別番 組『Elizabeth at 90 - A Family Tribute (原題)』が放送されました。 国民の高い支持 王室維持に賛成する声は70%を超える ほど、エリザベス女王へのイギリス国民 の支持は高く、愛され続けています。 また、エリザベス女王は毎年恒例、イ ギリス連邦の国民へクリスマス・メッセ ージ(25日朝放送)を送っています。2018 年、バッキンガム宮殿の白の応接間で撮 影されたクリスマス・メッセージでは、 この年を「100周年の年」と振り返り、父 ジョージ6世が第1次世界大戦で海軍に従 軍したことに触れ、「他の人と同様に、父 も戦争で友人を失った」、「クリスマスには、 どのような状況であれ、亡くなった愛す る人たちのことがしきりに思い出されま す」と話されています。 メッセージは12月12日に録画されたも のですが、放送では2018年のハイライト として、イギリス連邦の総合競技大会「コ モンウェルスゲームズ」やサッカー・ワ ールドカップでイングランドが準決勝に 進出した様子、サセックス公爵ハリー王 子とメーガン妃やユージェニー王女とジ ャック・ブルックスバンクさんの結婚式、 チャールズ皇太子の70歳の誕生日などの 映像が流れました。そしてエリザベス女 王は、来春誕生予定のサセックス公爵夫 妻の第1子を楽しみにしていると語りま した。 この年イギリス王室では結婚式や出産 が相次いだことから、今年は家族の行事 に「忙しい年」で、「祖母として常に多忙 だった」、また「長寿は人を賢くすると信 じる文化もあります。私もそう思いたい」、 「この知恵には、人生におけるやっかい な矛盾を認めることも入るかもしれませ ん。例えば、人間には善意を求める大き な気持ちと悪意を持つ能力があります」 と話されています。 また、女王は4月に行われたイギリス 連邦首脳会談に触れ、連邦の力は「愛の 絆と、より良い平和な世界で暮らしたい という共通の願いにあります」、「どれほ ど深刻な違いがあっても、相手を尊重し、 同じ人間として接することは、常により 良い理解への有効な一歩です」とも話さ れ、異なる考え方を持つ人同士が互いを 尊重することが大事だと強調しています。 その上で、女王は自らのキリスト教への 強い信仰心を吐露します。「何年もの間、 さまざまな変化を見てきましたが、私に イギリス王室物語 21 20
RkJQdWJsaXNoZXIy NDY3NTA=