2020年1月号 Vol.35 即位礼正殿の儀

れてきました。高御座に立つ天皇陛 下の「おことば」に続いて安倍晋三 首相の「祝詞」があり、万歳三唱に合 わせて北の丸公園から陸上自衛隊の 礼砲が撃たれました。天皇皇后両陛 下のお覚悟が感じられる式典、天皇 陛下の穏やかでかつ雄々しい表情が 印象的でした。そして、皇后雅子様 のお顔にも凛としたものを感じまし た。多くの国民が、これからの両陛 下に期待と安堵の気持ちを抱きまし た。 御 お 帳 ちょう 台 だい 」にお立ちになった雅子様。 天皇陛下は玉座「高 たか 御 み 座くら 」でおこと ばを述べられ、その隣の「御 み 帳ちょう 台だい 」 に立たれる雅子様ですが、御帳台の 帳 とばり が開いた時は緊張感がただよう表 情を浮かべられていました。 即位礼正殿の儀、天皇陛下が身に つけられていた「黄 こう 櫨 ろ 染ぜん 御のご 袍 ほう 」。平安 時代、嵯峨天皇が天子の御服と定め て以来、天皇のみが着用されてきま した。頭にかぶられる「立りゅう 纓えい の御 お 冠かんむり 」も天皇を象徴する冠です。多く の女性の注目を集めたのは、皇后様 と女性皇族方が身につけられた十二 単ひとえ 。雅子様は、一番上の御 お 唐 から 衣 ぎぬ が白 と萌 もえ 葱 ぎ 色。その下の薄紫色の表 うわ 着 ぎ に は、雅子様のお印「ハマナス」の紋もん が 入っていました。平成のご即位礼の ときの皇后陛下とほとんど違いがあ りませんが、紫と萌黄が唐衣と表着 というように入れ替わっています。 全体としては非常にやわらかい感じ で、新しい十二単の方向性がみうけ られました。 秋篠宮妃紀子さまの十二単には、 皇室を象徴する「菊」と秋篠宮さま のお印である「栂 つが 」の紋。長女の眞子 さま、次女の佳子さまは、初めて 十二単を身につけられました。(女 性皇族の十二単のご着用は、即位儀 礼と結婚の際に限られています。) 雅子様は午前5時に起床されてお り、宮殿「竹の間」で「饗宴の儀」が 始まったのは午後7時20分過ぎのこ と。すでに14時間が経過し、心身と もにお疲れと思われます。しかし、 その表情は正殿の儀での緊張した面 持ちから一転、素晴らしい笑顔でリ ラックスしたご様子でした。 饗きょう 宴 えん の儀 ぎ 御即位を披露され、祝福を受けら れるための饗宴です。10月22日(火)、 25日(金)、29日(火)、31日(木)に宮 中で行われました。 10月22日夜、海外の賓客らを招い た祝宴「饗きょう 宴 えん の儀」が皇居・宮殿で行 われました。た。「饗宴の儀」は、「即 位の礼」の儀式の一つで、計4回開か れました。22日の1回目には、元首 や王族など約400人が招待され、勲 章付きの燕尾服や色とりどりのロン グドレス、民族衣装などを身にまと って、次々と皇居・宮殿へと参列し 即位の礼/「饗宴の儀」に臨まれる両陛下と皇族方 P●INT DE VUE JAPON P●INT DE VUE JAPON 60 61

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