2020年1月号 Vol.35 即位礼正殿の儀

「高御座」「御帳台」とは 「高 たか 御 み 座 くら 」は奈良時代から天皇の 即位に関する重要な儀式などで用い られてきたとされています。今回の 「即 そく 位 い 礼 れい 正 せい 殿でん の儀」では、天皇陛下は、 台座の上にのぼって即位を宣言する おことばを述べられました。 現在の「高御座」は、皇后さまがの ぼられる「御 み 帳 ちょう 台 だい 」とともに大正天 皇の即位にあわせて大正2年につく られ、上皇様までの3代の天皇の即 位に伴う儀式で使われてきました。 高御座(左)と御帳台(右) 高さは6メートル50センチ近くあ り、縦横それぞれ6メートルほどの 「浜 はま 床 ゆか 」と呼ばれる四角形の台座の 上に、八角形の天 てん 蓋 がい が設けられてい ます。「浜床」の側面には、いずれも 想像上の動物の、「鳳ほう 凰 おう 」や「麒 き 麟 りん 」が 描かれています。 天蓋の一番上には金色の大きな鳳 凰が載っているほか八角形の頂点の 部分それぞれにも小さな鳳凰が取り 付けられています。さらに大小28の 鏡なども飾りつけられています。「御 帳台」は、「高御座」とほぼ同じつく りですが、やや小ぶりで、高さは5 メートル50センチほど、「浜床」の大 きさは縦横それぞれ5メートルほど となっています。「高御座」と「御帳 台」の台座にはそれぞれ「御椅子(ご いし)」といういすが置かれます。 「高御座」には歴代天皇に伝わる 三種の神じん 器 ぎ のうちの剣 つるぎ と曲 まが 玉 たま などを 置く「案 あん 」という台も置かれます。天 蓋からは、表が深い紫色、裏がひ色 の絹織物のとばりがかけられていて、 侍従と女官がこのとばり開けると両 陛下が初めて参列者に姿を見せられ るようになっています。 P●INT DE VUE JAPON P●INT DE VUE JAPON 18 19

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