今回の「即位礼正殿の儀」は、基本 的には上皇様の天皇即位時の儀式 (平成2=1990年)を踏襲したもので す。 平成と令和では、天皇皇后両陛下 が松の間に入場するまでの「お出ま し」の経路(ルート)や、参列者が儀 式を見守るスタイルに大きな変更が ありました。一方、今回の儀式では、 両陛下は松の間正面ではなく、後方 から入室されました。宮殿中庭に仮 設ステージは設けず、参列者は宮殿 の豊明殿、春秋の間、石橋の間、中庭 を囲む廊下に座って待機しました。 各所には大小30台のモニターが設置 され、参列者は高御座と御帳台のカ ーテンが開く瞬間に初めて両陛下の 姿を目にすることになりました。 「黄 こう 櫨 ろ 染 ぜんの 御 ご 袍 ほう 」に身を包んだ天皇 陛下が、歴代天皇に伝わる剣 つるぎ や曲 まが 玉 たま を持った侍従とともに「松の間」に 入られ、部屋の中央に置かれた、高 さ6メートル50センチ近くある「高 たか 御 み 座 くら 」の台座にのぼられました。続 いて、十 じゅう 二 に 単 ひとえ 姿の皇后さまが、「高 御座」の横に置かれた高さ5メート ル30センチの「御 み 帳 ちょう 台 だい 」の台座にの ぼられました。 そして、「高御座」と「御帳台」のと ばりが開けられると、参列者が起立 し、天皇が即位を内外に宣言するお ことばを述べられました。その後、 安倍晋三首相が儀式で、即位を祝福 する言葉を述べ、その後、安倍首相 のかけ声で、今上天皇(第126代)の 即位を祝福する万歳三唱が行われま した。それに合わせて礼砲も発射さ れ、参列者の万歳三唱の後、天皇皇 后両陛下が退出されて儀式が終わり ました。宮内庁は、今回の儀式に向 けて、「高御座」と「御帳台」を平成30 (2018)年9月に保管先の京都御所か ら皇居に運び、3月末までに漆の塗 り直しや装飾品の修理などの修繕を 終えていました。 P●INT DE VUE JAPON P●INT DE VUE JAPON 10 11
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