2019年11月号 Vol.34 雅子皇后陛下の輝き

ポアン・ド・ヴュ・ジャポン JAPON 令和天皇の即位正殿の儀と平和への願い! 公開に同意し、一般公開、一般閲覧 をも決意された配慮には、勇気ある 決断と、頭が下がる思いであります。 過去の過あやま は過ちとして、歴史的な事 実に、偽ることなく、真摯に向き合 う気概と勇気を失くす時、民主主義 は瓦 が 解 かい し、後には、狂信的独裁主義 者か、好戦的恐怖テロ人種が跋 ばっ 扈 こ す るのは、歴史が教える、自明の理で あります。 世界に誇るべき、唯一、紛争を解 決する手段としての戦争を、潔いさぎよ く放 棄し、平和主義を国 こく 是 ぜ とした、日本 国憲法を手にした、私達日本人こそ、 世界に平和を強く訴える資格がある のであり、それこそが昭和時代、国 を挙げて世界を相手に戦争に狂奔し た、敗戦国日本の責務でもあります。 平和憲法を、GHQから貰った憲法 だとか、能天気な一国平和主義など と批判し、戦時中には、戦争に反対 するでもなく、だんまりを決め込み、 終戦になるや否や、俄かに変身し、 やたら自主憲法を! と、口にする、 変わり身の早い、ご都合主義の評論 家や社会学者の、胡 う 散 さん 臭 くさ い、あやふ やな憲法改悪論には騙されないこと であります。 平和憲法だけは、日本人は、どん なことがあっても、手離さないで死 守すべきであり、それこそが、あの 残酷で地獄のような戦争の惨禍に散 った、何百万人もの女性、子供を含 む犠牲者が、命を賭 と して、後世の我々 日本人に残してくれた、尊い血で記 した遺訓であり、平和を願う悲痛な 叫びでもあります。 2019年10月22日、厳かな令和天皇 即位正殿の儀のお言葉が、世界の平 和を祈る人々の心に繋がる、令和天 皇の即位の宣言であってほしいもの であります。(編集部) 令和新天皇の内外に即位を宣言す る、《即位礼正殿の儀》は、来たる10 月22日に、皇居・正殿(松の間)で、 厳粛な雰囲気の中、執り行なわれま す。天皇の数ある国事行為の中でも、 1番重要な国事行為であり、世界の王 室はもとより、多くの国から、この 厳しい多難な国際状況時にも拘わら ず、多数の参列希望の申し出が続々 と、宮内庁に届いているのは、今ま でにない、異例のことであります。 それは、歴史のある日本皇室の固 有の伝統と、神秘性への敬意・今上 天皇陛下への即位への祝辞をと、示 された証あかし であり、日本の国民にとっ ても、大きな喜びであります。 日本の天皇が、世界の平和を念じ、 世界の国民の安 あん 寧 ねい と幸せを祈念され る象徴としての天皇の真 しん 摯 し なお姿に、 世界の感動と共鳴を呼び、敬意が示 されるのであり、遠路遥 はる 々 ばる 駆け参じ てくれるのは、何と!輝かしいこと であり、名誉なことでありましょう。 世界は、平和どころか、核の脅威 は止まることを知らず、核開発に狂 奔し、核の保有数は天井知らずの実 情であります。今日、人類に残され た唯一つの平和への道は、核を捨て 軍拡競争の無意味さを悟る人類の良 識と、平和の価値を、ひたすら人の 心に、訴え祈り続ける精神主義に、 頼ることしか残されておりません。 今年8月15日の終戦記念日の式典で、 令和天皇のお言葉に、上皇天皇の平 和を願う、お言葉に添い、過去の戦 争を深く反省し、世界の平和を祈る と話されました、そのお姿にこそ、 多くの人々が日本の天皇の平和主義 に敬意を示し、強い共鳴と絆を感じ られたのであります。 先程、昭和天皇と、昭和24年から 昭和28年の永きに渡り、お側 そば にお勤 めになった初代宮内庁長官、田島道 治氏との間で、600時間に及ぶ、拝 はい 謁 えつ を記した《拝謁記》の下地になる、 ノート18冊、手帳6冊の記録が、遺 族の特別の計らいで、公表されまし た。その記録には、敗戦になり、昭 和天皇の戦争への並々ならぬ懊 おう 悩 のう や 深い愁 うれ いや、更には、戦時中の個々 の戦略への後悔迄もが、切々と語ら れ、陛下が当時、紛れもなく統帥権 者であったことが如実に伺え、ある 種の違和感と、驚きを感じさせられ ました。 敗戦の後に、どれだけ第2次大戦 に対して、陛下の後悔と反省のお言 葉を聞かされても、神様の後知恵、 人知の虚しさだけが込み上げ、心が 痛むばかりであります。 一旦平和主義の箍 たが が外れ、戦争へ となだれ込んでしまうと、その軌道 修正が、例え軍の統帥権と、全ての 統治権を持つ天皇であられても、そ れがいかに絶望的で困難なことであ ったかを、痛切に知らされます。 昭和時代への強い後悔と自責の念 が日常的な会話のなかに語られ、陛 下の平和主義への細 ささ やかな願いがあ ったとしても、それが無残にも破れ ていく道筋が、今更ながら、生々しく、 ある種の恐怖を持って伝わり、複雑 な思いにさせられます。 イギリス王室では、きちんとした 専門の宮廷記録を残す機関があり、 後世に、女王陛下の日記1ページに 至る迄、そのまま歴史的な資料とし て保存し、公開されています。日本 の機関では、全て天皇の生の声を隠 匿しているのが実情で、先の《天皇 独白録》にみるような、手を加えた 間違った扱いは、極めて愚かなこと で、国の恥ですらあります。 今回、元田島宮内庁長官の遺族が、

RkJQdWJsaXNoZXIy NDY3NTA=